Blues Night in Asagaya

私の家から歩いて1分くらいの所に、居酒屋があります。15人も入ればぎゅうぎゅうの小さなお店なのですが、お客の雰囲気も落ち着いていて料理もおいしく、足しげく通っていました。先日夜、そこに行った時のこと。

店に入りテーブルに座って周りを見回すと、常連さん達がカウンターに並び、いつものように呑んでいました。でも、様子が少し変なのです。どこか暗い感じ。話を聞くともなしに聞いていると、どうやら常連さんの一人がつい先日、亡くなったようなのです。

私も何度かお店で見かけたことがある、福禄寿によくにた人でした。のんだくれで酒癖もあまりよくなかった人なのですが、それも、皆の悲しみをより深くしているみたいでした。弔いのワインがまわってきて、それをいいペースで飲んでいると、そのうち、カウンター席にいた女性の一人が声をかけてきました。「ねえ、あなた、バンドやってるんでしょ。何か一曲歌ってよ」。それを聞いたカウンターの人々が、一斉にこちらを向きます。

いっぺんに酔いが覚めました。そ、そんな大役をこの私に。ボーカルやってるなんて言わなければよかった。こういう場の追悼に適した楽曲が、はたして新白河みのるにあるのか。サルバンチョウ?キョヌー?結婚願望?どれも違う気がします。いや絶対違う。

酒で朦朧とする脳みそをフル回転させる私に、その女性は言いました。「死んだ彼も、今日ここにいる気がする。なんでもいいの。彼のため、そして私達のために何か歌って」。

結局、「上を向いて歩こう」と「サン・トワ・マミー」をアカペラで歌い、その後はお客さんみんなと再びワインを飲みました。ボーカルやっててよかったな、と少し思いました。
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  by sinnsirakawaminor | 2005-11-25 12:22 | ひでみつ

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