ミラクルガール

相方が谷亮子さんの事について触れたので、私も彼女との甘酸っぱい思い出について少し。

私は高校の三年間、柔道部に所属していました。そこで2年目の夏だったか、顧問の出身大学の稽古に参加したことがありました。当時は、全日本クラスだった女子の選手もいて、乱取り(練習中の模擬試合)をご一緒してもらいましたが、鬼のような強さと早さで5秒おきにばしんばしん投げられてボロボロになった記憶があります。

んでその女子選手は秋の国際大会で、一本負けで予選敗退に終わるのですが、その負かした相手を10秒くらいで投げ飛ばして見事優勝したのがYAWARAちゃんこと当時の田村亮子選手でした。なんだかドラゴンボールの「強さのインフレ」を現実世界で目の当たりにしたような気分でした。

時は流れ、大学を卒業してPR代理店に勤務していた際、関わったイベントで、ハイヤーで来場した田村選手を会場の外まで迎えに行くという役目に任命されました。柔道から離れて久しかった私は、彼女を控え室に案内するまでの5分弱の間に、「ぼくも柔道やってたんです」とか「今度『山嵐』教えて下さい!」とか馴れ馴れしく言っちゃおうかな、なんて軽く楽しみに考えてました。

そしていざイベント当日、お迎えの時間がやってきました。会場を出て外まで迎えに行くとハイヤーが到着し、まず後部座席からマネージャーである田村母堂が降り立ち、全体的に紫なコーディネートで「あら~、今日は宜しく御願いします~」なんて気さくにご挨拶して下さいました。すると今度は、グレーのスーツを着た小柄な女性が軽快な感じで降りてきました。「YAWARAちゃんだ!」

しかしその瞬間、私は体がすくみまくるのを感じました。別に彼女が殺気を放っていたわけではなく、むしろテレビでいつも見るようにニコニコしてたのですが、怖い。なんつーか、重力の密度が彼女の立ってる所だけ違う感じ。圧倒的な存在感。一方的に「ヘタ打つと首折られる!」とまで思いました。アホですね。

私は「同じ柔道家として気さくに話しかける」という当初のプランを、「柔道のジュの字も出さずにやり過ごす」方向に瞬時に変更、固まった笑顔で事務的に名刺交換をし、「今日は暖かいですね」とか「道中は混んでいませんでしたか?」なんて危険度ゼロな会話を主に母上様と交わして切り抜け、親子を控え室まで送り届けてドアを閉めた時には、かなり汗をかいておりました。

なんだか今考えてみるとしょーもないですが、その時は自分の中で変なスイッチが入っちゃったのか、本気で怖かったのを憶えています。

なんてことはない、彼女との甘酸っぱい思い出です。


                                             ひでみつ
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  by sinnsirakawaminor | 2005-06-28 15:38 | ひでみつ

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